パソコンの設定やトラブル対処を調べていると、「BIOS」や「UEFI」という言葉を見かけることがあります。
どちらもWindowsが起動するより前に動き、パソコンのハードウェアを初期化したり、どのストレージからOSを起動するかを決めたりする重要な仕組みです。
ただし、BIOSとUEFIは同じものではありません。
先に結論をいうと、BIOSは古くから使われてきた従来方式、UEFIはその役割を引き継ぎながら機能を拡張した現在の主流のファームウェア方式と考えると分かりやすいです。
Windows 11ではUEFIやSecure Bootとの関係も重要になるため、違いを知っておくとパソコンの設定画面や起動トラブルの記事も理解しやすくなります。
BIOSとUEFIの役割、レガシBIOSとUEFIの違い、GPT・MBRやSecure Bootとの関係、現在使っている起動モードをWindows 11で確認する方法、設定画面を開く方法まで初心者向けに解説します。
BIOSとUEFIは何をするもの?
BIOSやUEFIは、パソコンの電源を入れた直後に動作する「ファームウェア」です。
Windowsそのものではなく、Windowsが起動する前の段階でハードウェアを準備し、OSの起動へつなぐ役割を持っています。
MicrosoftはUEFIについて、OSとプラットフォームファームウェアの間のインターフェースとして、OSを起動するための標準的な環境を提供するものと説明しています。
簡単にいえば、
- パソコンの電源が入る
- BIOSまたはUEFIがハードウェアを初期化する
- 起動するストレージやブートローダーを確認する
- WindowsなどのOSへ処理を引き渡す
という流れの中で重要な役割を担当しています。
BIOSとは?昔から使われてきた起動方式
BIOSは「Basic Input/Output System」の略です。
PCでは長年、電源投入後にハードウェアを初期化し、ストレージからOSを起動するための仕組みとして使われてきました。
現在のMicrosoft資料では、従来型のBIOSを「Legacy BIOS」や「レガシBIOS」と呼び、UEFIと区別しています。
古いパソコンや古いOSとの互換性を保つため、UEFI搭載機でも「Legacy」「CSM」などの設定が用意されている機種があります。
UEFIとは?現在のPCで主流のファームウェア
UEFIは「Unified Extensible Firmware Interface」の略です。
UEFI Forumは、UEFI仕様について、パソコンのOSとプラットフォームファームウェアの間に標準的なインターフェースを提供し、OSの起動や起動前アプリケーションの実行に必要な環境を定義するものと説明しています。
Microsoftも、現在のWindows環境では新しいUEFIモードを利用することを基本として案内しています。
UEFIでは、従来のレガシBIOSと比べて、
- GPT形式のシステムディスクを利用しやすい
- Secure Bootを利用できる
- 大容量ストレージへ対応しやすい
- 起動前の機能を拡張しやすい
といった特徴があります。
BIOSとUEFIの違いを比較
| 比較項目 | レガシBIOS | UEFI |
|---|---|---|
| 位置づけ | 従来型のPCファームウェア方式 | 現在のPCで主流のファームウェア方式 |
| Windowsのシステムディスク | 主にMBRと組み合わせる | 主にGPTと組み合わせる |
| 2TBを超える起動ディスク | MBRでは制約がある | GPTとの組み合わせで対応しやすい |
| Secure Boot | 利用しない | UEFI仕様の機能として利用できる |
| 現在のWindows | 互換性目的で残る場合がある | 基本となる方式 |
ただし、実際の設定画面や搭載機能はパソコンメーカーやマザーボードによって異なります。
UEFIとBIOSは見た目だけが違うわけではない
「昔のBIOSは青い文字画面、UEFIはマウスが使えるきれいな画面」と説明されることがあります。
確かに、UEFI搭載機ではグラフィカルな設定画面やマウス操作に対応する製品があります。
しかし、見た目だけでBIOSかUEFIかを判断するのは正確ではありません。
UEFIでもシンプルな文字中心の画面を採用する機種がありますし、設定画面のデザインはメーカーによって大きく異なります。
重要なのは画面のデザインではなく、ファームウェアとしてどの方式で起動しているかです。
UEFIとGPT、BIOSとMBRはどう関係する?
BIOSとUEFIを理解するときに一緒に出てくるのが、「MBR」と「GPT」です。
これはストレージのパーティション形式です。
Microsoftは、
- MBRは従来のBIOSで使われてきたパーティション方式
- GPTはUEFIで使われる現在のパーティション方式
として説明しています。
| 項目 | MBR | GPT |
|---|---|---|
| 主な組み合わせ | レガシBIOS | UEFI |
| ディスク容量 | 2TB以下に制限 | 2TBを超えるディスクを扱える |
| プライマリパーティション | 最大4つ | 4つを超えて作成可能 |
| 現在のWindows PC | 古い環境や互換性用途 | 一般的 |
Microsoft Learnでは、MBRは2TB以下のディスクに制限され、最大4つのプライマリパーティションをサポートすると説明されています。一方、GPTは2TBを超えるディスクや4つを超えるパーティションを扱えます。
現在のWindowsを理解するうえでは、「古い方式のレガシBIOS+MBR」と「現在のUEFI+GPT」という組み合わせを基本として覚えると整理しやすくなります。
UEFIは大容量ディスクに強い
MBRには、扱えるディスク容量に制約があります。
Microsoftは、MBRでは2TBを超える容量を十分に扱えず、大きなドライブにはGPTを推奨しています。
UEFIとGPTの組み合わせでは、2TBを超えるシステムディスクにも対応できます。
現在は4TBや8TBなど大容量のHDD・SSDも珍しくないため、GPTを利用できるUEFIのメリットは大きくなっています。
Secure BootはUEFIの機能
UEFIを語るうえで重要なのが「Secure Boot(セキュアブート)」です。
MicrosoftはSecure Bootについて、パソコン起動時に信頼されたソフトウェアだけを実行できるようにするセキュリティ機能と説明しています。
起動時にファームウェアがブートソフトウェアなどの署名を確認し、信頼できるものかどうかを判断します。
Secure BootはUEFI仕様の一部です。
Windowsが動き始める前の段階から、信頼されていないコードが読み込まれるのを防ぎやすくする仕組みです。
Windows 11ではUEFIが重要
Windows 11では、UEFIとSecure Bootへの対応が重要です。
MicrosoftのWindows 11向け案内では、Secure Bootを利用するため、起動モードをLegacy BIOS(CSM)ではなくUEFIへ設定する方法が説明されています。
そのため、比較的新しいWindows 11パソコンではUEFIで動作しているケースが一般的です。
「BIOS設定を開く」と説明される場合でも、実際にはUEFIファームウェア設定画面を指していることがあります。
なぜ今でも「BIOS」という言葉が使われる?
現在のパソコンはUEFIを採用していても、「BIOS設定」「BIOS画面」「BIOSアップデート」という言葉が使われることがあります。
これは、BIOSという呼び方が長年使われてきたためです。
メーカーのサポート情報でも、利用者に分かりやすくするため「BIOS/UEFI」や「UEFI BIOS」といった表記が使われる場合があります。
そのため、「BIOSと書いてあるから必ず古いレガシBIOS」とは限りません。
Windows 11でBIOSモードがUEFIか確認する方法
Windows 11では「システム情報」から現在の起動モードを確認できます。
- 「Windows」+「R」キーを押します。
- 「ファイル名を指定して実行」に msinfo32 と入力します。
- 「Enter」キーを押します。
- 「システム情報」が開きます。
- 「BIOS モード」の項目を確認します。
「UEFI」と表示されていれば、現在UEFIモードで起動しています。
環境によっては「レガシ」と表示される場合があります。
Windows 11からUEFI設定画面を開く方法
対応しているパソコンでは、Windowsの回復メニューからUEFIファームウェア設定へ移動できます。
Microsoftの案内では、Windows 11から次の流れでアクセスできます。
- 「設定」を開きます。
- 「システム」→「回復」を開きます。
- 「PCの起動をカスタマイズする」などの詳細スタートアップから再起動します。
- 「トラブルシューティング」を選びます。
- 「詳細オプション」を選びます。
- 「UEFI ファームウェアの設定」を選びます。
- 「再起動」を選びます。
再起動後、メーカーが用意したUEFI設定画面が表示されます。
また、パソコンの電源投入直後にF2、Delete、Escなどのキーを押して設定画面へ入る機種もあります。
使うキーはメーカーや機種によって異なるため、パソコンの説明書やメーカーのサポート情報を確認してください。
UEFI設定では何を変更できる?
具体的な項目は機種によって異なりますが、UEFI設定ではハードウェアや起動に関する設定を扱います。
MicrosoftはUEFIファームウェア設定で変更できる例として、
- 起動順序
- Secure Boot
- その他のシステムレベルの設定
などを挙げています。
マザーボードやパソコンによっては、CPU、メモリ、ファン、仮想化機能などの設定が用意されている場合もあります。
起動方法やストレージ設定などを変更すると、Windowsが起動しなくなる場合があります。目的が明確でない項目は変更せず、作業前にメーカーの手順を確認してください。
Legacy BIOSからUEFIへ切り替えても大丈夫?
設定画面に「Legacy」「CSM」「UEFI」などの項目があっても、単純に切り替えればよいとは限りません。
Microsoftは、Windowsをインストールしたあとにファームウェアモードを変更する場合、ディスクのパーティション形式などとの整合性が必要になることを案内しています。
たとえば、レガシBIOS+MBRでインストールされたWindowsを、そのままUEFIへ切り替えると起動できなくなる可能性があります。
環境によってはMicrosoftの「MBR2GPT」ツールを使って変換できる場合がありますが、これは目的と手順を理解したうえで行う作業です。
「UEFIの方が新しいから」という理由だけでLegacy/CSMを無効にすると、Windowsが起動できなくなる場合があります。変更が必要な場合は、現在のパーティション形式やメーカーの案内を確認してください。
BIOSとUEFIでは起動速度も違う?
MicrosoftはUEFIの利点として、より速い起動や再開に対応しやすいことを挙げています。
ただし、実際の起動時間はファームウェア方式だけで決まるわけではありません。
- SSD・HDDの速度
- CPUやメモリ
- 接続している機器
- Windowsのスタートアップアプリ
- メーカー側の初期化処理
などにも影響されます。
そのため、「UEFIなら必ず数秒で起動する」といった単純な比較はできません。
BIOS・UEFIとWindowsは別のもの
BIOSやUEFIは、Windowsそのものではありません。
UEFIが先に動作し、ハードウェアを準備したあと、Windowsの起動処理へつなぎます。
そのため、Windowsを再インストールしても、パソコン本体のUEFIそのものがWindowsへ置き換わるわけではありません。
逆に、UEFIファームウェアの更新もWindows Updateとは役割が異なります。ただし、一部のPCではメーカーのファームウェア更新がWindows Update経由で配信されることがあります。
BIOSとUEFIについてよくある質問
BIOSとUEFIはどちらを使えばいい?
現在のWindows PCでは、基本的にはUEFIを使用するのが一般的です。Microsoftも通常は新しいUEFIモードでWindowsをインストールするよう案内しています。
UEFIの設定画面も「BIOS」と呼ぶことがある?
あります。「BIOS設定」という呼び方が広く定着しているため、実際にはUEFIでもBIOSという名称が使われることがあります。
UEFIなら必ずマウスが使える?
必ずではありません。設定画面のデザインや操作方法はメーカーによって異なります。
Windows 11なら必ずUEFI?
Windows 11ではSecure Boot対応が重要で、MicrosoftはUEFIを前提とする案内をしています。実際の起動モードは「システム情報」の「BIOS モード」で確認するのが確実です。
BIOSやUEFIを更新した方がいい?
必要性は機種や状況によります。メーカーが不具合修正やセキュリティ更新を提供している場合がありますが、ファームウェア更新には注意が必要です。対象機種の公式手順に従ってください。
まとめ
BIOSとUEFIは、どちらもWindowsより前に動作し、パソコンを起動するために必要なファームウェアです。
- BIOSは古くから使われてきた従来方式
- UEFIは現在のPCで主流の方式
- レガシBIOSは主にMBR、UEFIは主にGPTと組み合わせる
- UEFIではSecure Bootを利用できる
- Windows 11ではUEFIが重要
- 現在の起動モードは「msinfo32」のシステム情報で確認できる
- 起動モードは安易に切り替えない
「BIOSは従来方式、UEFIは現在の主流」と覚えたうえで、GPTやSecure Bootとの関係まで知っておくと、Windowsの起動やパソコン設定を理解しやすくなります。