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IPv4とIPv6の違いは?IPアドレス・速度・IPoEとの関係をわかりやすく解説

2026年10月5日

IPv4とIPv6の違いをイメージしたネットワーク機器とパソコン

インターネット回線やWi-Fiルーターの説明を見ていると、「IPv4」「IPv6」という言葉をよく見かけます。

さらに「IPv6 IPoE」「IPv4 over IPv6」「PPPoE」といった言葉まで出てくると、「IPv6にすれば速くなるの?」「IPv4はもう使えないの?」と分かりにくくなりがちです。

先に結論をいうと、IPv4とIPv6は、インターネットで通信相手を識別してデータを届けるためのIP(Internet Protocol)の異なる世代です。

IPv6はIPv4よりはるかに広いアドレス空間を持ちますが、IPv6という名前だけで通信速度が必ず速くなるわけではありません。実際の速度には、IPoE・PPPoEなどの接続方式や回線混雑、契約速度、ルーターや端末の性能なども関係します。

この記事でわかること

IPv4とIPv6の基本的な違い、IPアドレスの表記と数、IPv6が必要になった理由、IPv6なら必ず速くなるのか、IPoE・PPPoEとの関係、IPv4 over IPv6とは何か、Windows 11で確認するときのポイントまで初心者向けに整理します。

IPv4とIPv6の違いを先に比較

まずは大きな違いを表で確認します。

比較項目 IPv4 IPv6
正式名称 Internet Protocol Version 4 Internet Protocol Version 6
アドレス長 32ビット 128ビット
アドレス数 約43億個 約3.4×10の38乗個
表記例 192.0.2.1 2001:db8::1
区切り ピリオド コロン
現在の利用 現在も広く利用 普及が進んでいる

IPv4は現在も多くのWebサイトやサービスで使われています。一方、IPv6はインターネットへ接続する機器が増え、IPv4アドレスだけでは不足する問題へ対応するために広いアドレス空間を持っています。

そもそもIPアドレスとは?

IPアドレスは、ネットワーク上で通信相手を識別するための番号です。よく「インターネット上の住所」に例えられます。

パソコンやスマートフォンがWebサイトへアクセスするときも、最終的にはIPアドレスを使って通信先を識別し、データを送受信します。

家庭では、ルーターがインターネット側と家庭内ネットワークの間で通信を振り分けています。

ONUやルーターの役割そのものが分からない場合は、
ONUとルーターの違いは?モデム・ホームゲートウェイとの違いもわかりやすく解説
も参考にしてください。

IPv4とは?現在も広く使われるIPの仕組み

IPv4は「Internet Protocol Version 4」の略で、長くインターネットの中心として利用されてきた通信プロトコルです。

IPv4アドレスは32ビットで構成され、一般的には次のようにピリオドで区切った10進数で表記します。

192.0.2.1

32ビットで表せる組み合わせは約43億個です。

インターネットが現在ほど普及していなかった時代には非常に大きな数に見えましたが、パソコン、スマートフォン、サーバー、IoT機器など、ネットワークへ接続する機器が急増したことで、IPv4アドレスの不足が大きな課題になりました。

IPv4ではNATも広く使われている

家庭のネットワークでは、1つのグローバルIPv4アドレスを複数の端末で共有するため、NATやNAPTと呼ばれる仕組みが使われることがあります。

そのため、自宅のパソコンやスマートフォンに表示されるIPアドレスと、インターネット側から見えるIPアドレスが同じとは限りません。

IPv4が古いから現在は使えない、というわけではありません。IPv4は現在も広く利用されており、IPv6と併用される環境も一般的です。

IPv6とは?非常に広いアドレス空間を持つ

IPv6は「Internet Protocol Version 6」の略です。

IPv4の32ビットに対し、IPv6アドレスは128ビットで構成されます。

利用できるアドレス数は約3.4×10の38乗個と非常に大きく、IPv4で問題になったアドレス不足へ対応できる広いアドレス空間を持っています。

IPv6アドレスは、一般的に16進数をコロンで区切って表記します。

2001:db8::1

実際のIPv6アドレスは長くなりますが、連続する0などを省略して短く書くルールがあります。

なぜIPv5ではなくIPv6なの?

「IPv4の次ならIPv5では?」と疑問に感じるかもしれません。

IPv5という番号は、過去に実験的なプロトコルで使用されていました。そのため、現在広く利用されている次世代IPにはVersion 6、つまりIPv6という番号が使われています。

IPv6ならインターネットは必ず速くなる?

必ず速くなるわけではありません。

IPv4とIPv6は通信プロトコルの違いであり、単純にIPv6というだけで契約回線の最大速度が上がるわけではありません。

実際のインターネット速度には、

  • 契約している回線の速度
  • プロバイダー側の混雑
  • IPoE・PPPoEなどの接続方式
  • ルーターの性能
  • 有線LANの速度
  • Wi-Fi規格
  • 端末性能
  • 利用するWebサービス側の状態

など、さまざまな要素が関係します。

「IPv6=高速」とだけ覚えない

IPv6環境で速度が改善したように感じるケースでは、IPv6そのものだけでなく、混雑の影響を受けにくいIPoE方式を利用するようになったことなどが関係している場合があります。

IPv6とIPoEは同じものではない

ここは非常に混同しやすいところです。

IPv4・IPv6は、インターネットでデータを届けるためのIPの規格です。

一方のIPoE・PPPoEは、インターネットへ接続する方式を表します。

言葉 何を表す?
IPv4 IPの規格・通信プロトコル
IPv6 IPの規格・通信プロトコル
IPoE インターネットへの接続方式
PPPoE インターネットへの接続方式

NTT東日本では、IPoEは従来のPPPoEで使われる網終端装置を経由しないため、PPPoEより混雑の影響を受けにくく、通信速度が安定しやすいと説明しています。

つまり、「IPv6だから速い」というより、IPv6 IPoE環境へ移行した結果として混雑しにくくなり、速度や安定性が改善するケースがある、と考える方が分かりやすいでしょう。

PPPoEとは?

PPPoEは「Point-to-Point Protocol over Ethernet」の略で、従来から広く使われてきたインターネット接続方式です。

PPPoEでは、プロバイダーへ接続する際に網終端装置などを経由します。利用者が集中する時間帯などには、この部分が混雑要因になることがあります。

ただし、PPPoEだから必ず遅いというわけではありません。利用している回線や設備、時間帯、プロバイダーなどによって実際の通信状況は変わります。

IPoEとは?

IPoEは「IP over Ethernet」の略で、IPv6インターネット接続で広く利用されている方式です。

従来のPPPoEとは異なる経路で接続するため、混雑の影響を受けにくい環境を構成しやすいのが特徴です。

光回線の契約やプロバイダーを調べていて、「IPv6 IPoE対応」と書かれている場合は、IPv6をIPoE方式で利用できるサービスを指していることがあります。

IPv4 over IPv6とは?

IPv6が普及しているとはいえ、インターネット上には現在もIPv4を利用するWebサイトやサービスがあります。

そこで使われるのが「IPv4 over IPv6」です。

IPv4 over IPv6は、IPv6のネットワークを利用しながらIPv4の通信も行えるようにする仕組みです。

NTT東日本でも、IPv4 over IPv6を利用することで、IPv6 IPoE環境からIPv4対応のWebサイトやサービスへアクセスできると説明しています。

実際のサービスでは、MAP-EやDS-Liteなどの方式が使われることがあります。

家庭では自動的に使っていることも多い

IPv4 over IPv6に対応した回線・プロバイダー・ルーターを利用している場合、普段はIPv4とIPv6を意識せずWebサイトを利用できることがあります。自分で毎回切り替えるものではありません。

IPv4とIPv6には互換性がある?

IPv4とIPv6は、そのままでは別の仕組みです。

IPv6だけの端末とIPv4だけのサービスが、何の仕組みも使わず直接やり取りできるわけではありません。

そのため現在は、IPv4とIPv6の両方に対応する、IPv4 over IPv6を使う、変換・トンネル技術を利用するといった移行を支える仕組みが使われています。

IPv6とWi-Fi 6は同じもの?

まったく別のものです。

  • IPv6:インターネットで使うIPの規格
  • Wi-Fi 6:無線LANの世代を表す名称

Wi-Fi 6・Wi-Fi 6E・Wi-Fi 7の違いについては、
Wi-Fi 6とは?Wi-Fi 5・6E・7との違いをわかりやすく解説
で詳しく紹介しています。

IPv6を利用する前に確認したいこと

この記事では、先にルーターを買うのではなく、契約中のサービス内容を確認してから必要な機器を判断する順番をすすめます。「IPv6対応」という表記だけでは、自宅で利用する接続方式に対応しているか判断できないためです。

1.契約中のサービス名と利用状況を確認する

プロバイダーの会員ページや契約書類で、IPv6関連サービスの正式名称を確認します。申し込みが必要なのか、すでに利用開始済みなのかも調べてください。

分からない場合は、次のように問い合わせると確認したい内容が伝わりやすくなります。

  • 現在の契約でIPv6 IPoEを利用できますか。
  • IPv4 over IPv6も利用できますか。
  • 申し込みや追加料金は必要ですか。
  • 現在の契約では、すでに利用開始されていますか。

2.現在のルーターが、そのサービスに対応するか確認する

ルーター本体の型番を調べ、プロバイダーやメーカーの対応機種一覧と照らし合わせます。IPv4 over IPv6を使う場合は、契約サービスが採用する方式への対応も確認してください。

「IPv6対応ルーター」と書かれていても、すべてのIPv4 over IPv6サービスへ対応するとは限りません。製品の世代や価格だけで決めず、サービス名と型番の組み合わせで確認することが大切です。

ホームゲートウェイなどで必要な機能をすでに利用できる場合もあるため、購入前に現在の機器構成を確認しましょう。

3.改善したい症状を整理する

速度改善を目的に検討する場合は、「夜だけ遅い」「Wi-Fiだけ遅い」「特定のサイトだけ遅い」など、困っている状況を分けて考えます。

  • 夜間に複数のサイトが遅い:接続方式や回線混雑について、プロバイダーへ確認する判断材料になります。
  • ルーターから離れた場所だけ遅い:IPv6の契約変更より、Wi-Fiの電波状況を先に確認します。
  • 特定のサイトだけ遅い:そのサイト側の状態も考えられるため、回線全体の問題と決めつけません。

これらの症状だけで原因は断定できませんが、問い合わせ先や確認する順番を整理できます。

設定変更より、契約先の案内を先に確認する

Windowsの設定でIPv6を有効にするだけで、プロバイダーのIPv6 IPoEサービスが開通するわけではありません。契約サービスの利用条件と対応機器を確認し、必要な設定は契約先やメーカーの手順に沿って行ってください。

Windows 11でIPv4・IPv6の設定は変更した方がいい?

通常利用では、理由なく手動変更する必要はありません。

Windows 11では、ネットワークのIP設定を自動取得するDHCPを利用する構成が一般的です。Microsoftも、ネットワークがDHCPに対応している場合は自動設定を推奨しています。

手動でIPアドレスやDNSを設定する機能もありますが、数値を間違えるとインターネットへ接続できなくなることがあります。

IPv6を安易に無効化しない

「つながらないからIPv6をオフにする」といった変更を最初の対処として行うのはおすすめしません。回線・ルーター・Windowsのどこに問題があるかを先に切り分け、必要な場合だけ契約先やメーカーの案内に沿って設定を確認してください。

Windows 11でWi-Fiそのものにつながらない場合は、
Windows 11でWi-Fiにつながらないときの対処法を原因別に解説
も確認してみてください。

IPv4とIPv6についてよくある質問

IPv4はもう使えなくなる?

現時点ではIPv4も広く使われています。IPv6への移行は進んでいますが、IPv4とIPv6を併用したり、IPv4 over IPv6などを利用したりする環境があります。

IPv6にすればWi-Fiも速くなる?

IPv6へ対応しただけでWi-Fi区間の速度が上がるわけではありません。Wi-Fi速度はWi-Fi規格、ルーター、端末、距離、障害物などにも左右されます。

IPv6なら夜でも必ず速い?

必ずではありません。IPv6 IPoE環境ではPPPoEより混雑の影響を受けにくい場合がありますが、回線全体やプロバイダー、利用先サービスなど別の部分が混雑する可能性もあります。

IPv6とIPoEは同じ意味?

同じではありません。IPv6はIPの規格、IPoEは接続方式です。「IPv6 IPoE」はIPv6をIPoE方式で利用する構成を指します。

IPv4 over IPv6ならIPv4のサイトも見られる?

対応するサービスと機器を利用していれば、IPv6ネットワークを経由してIPv4のWebサイトやサービスへアクセスできます。

IPv6対応ルーターへ買い替えればすぐ使える?

ルーターだけでなく、契約している回線やプロバイダーのサービス内容も関係します。購入前に利用中の回線・プロバイダーが案内する対応機種や接続方式を確認してください。

まとめ

IPv4とIPv6は、インターネットで通信相手を識別してデータを届けるためのIPの異なる世代です。

  • IPv4は32ビット、IPv6は128ビットのアドレスを使う
  • IPv6はIPv4より非常に広いアドレス空間を持つ
  • IPv4は現在も広く利用されている
  • IPv6だから必ず通信速度が速くなるわけではない
  • IPv4・IPv6とIPoE・PPPoEは別の分類
  • IPv4 over IPv6を使えばIPv6ネットワーク上でIPv4通信も利用できる
  • IPv6とWi-Fi 6はまったく別の技術

IPv4・IPv6は「通信の規格」、IPoE・PPPoEは「インターネットへの接続方式」と分けて覚えると、回線やルーターの説明がかなり理解しやすくなります。

参考情報

-ネット・Wi-Fi