Wi-Fiの接続先を見ていると、同じルーターなのに「2.4GHz」と「5GHz」という2種類の表示が出てくることがあります。
「数字が大きい5GHzの方が速そうだから、いつも5GHzでいいのでは?」と思いがちですが、実際はそう単純ではありません。
2.4GHzは遠くまで届きやすく、5GHzは高速通信に向いているという違いがあり、ルーターとの距離や壁の数、使う機器によって向いている周波数帯が変わります。
なお、ONUとルーターの役割そのものが分からない場合は、
ONUとルーターの違いは?モデム・ホームゲートウェイとの違いもわかりやすく解説
で詳しく紹介しています。
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの違いを、速度・届きやすさ・壁への強さ・混雑しやすさの観点から比較します。あわせて、どちらを選べばよいか、Windows 11で現在の接続帯域を確認する方法も紹介します。
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzの違いを一覧で比較
まずは2.4GHzと5GHzの違いを表で整理します。
| 比較項目 | 2.4GHz | 5GHz |
|---|---|---|
| 通信速度 | 5GHzより低くなりやすい | 高速通信に向いている |
| 電波の届きやすさ | 遠くまで届きやすい | 2.4GHzより届く距離が短い |
| 壁・床への強さ | 比較的強い | 比較的影響を受けやすい |
| 混雑しやすさ | 混雑しやすい | 比較的混雑しにくい |
| 対応機器 | 古い機器やIoT機器でも対応が多い | 古い機器では非対応の場合がある |
| 向いている使い方 | 離れた部屋、壁越し、IoT機器など | 動画、ゲーム、オンライン会議、大容量通信など |
Microsoftも、2.4GHzは5GHzより長い距離まで届きやすく、壁などの障害物を通りやすい一方、5GHzはより高速で混雑しにくいと案内しています。
つまり、単純に「5GHzの方が上位」ということではなく、それぞれ得意な場面が違うと考えると分かりやすいです。
2.4GHzは遠くまで届きやすい
2.4GHzの大きな特徴は、5GHzより電波が遠くまで届きやすいことです。
Wi-Fiルーターとパソコンの間に壁や床がある場合でも、5GHzより通信しやすいことがあります。そのため、ルーターとは別の部屋で使う機器や、家の中を移動しながら使う端末では2.4GHzが向くことがあります。
2.4GHzのメリット
- 5GHzより遠くまで届きやすい
- 壁や床などの障害物の影響を比較的受けにくい
- 対応している機器が多い
- スマート家電など2.4GHzのみ対応の機器でも利用しやすい
ルーターをリビングに置き、寝室や別の階でWi-Fiを使うような環境では、5GHzより2.4GHzの方が安定することがあります。
2.4GHzのデメリット
一方で、2.4GHz帯はWi-Fi専用の周波数帯ではありません。
Bluetooth機器や一部の家電製品なども2.4GHz帯を利用するため、電波が混雑しやすいという弱点があります。
- 5GHzより通信速度が低くなりやすい
- 利用する機器が多く、混雑しやすい
- 周囲の電波状況によって速度が不安定になることがある
5GHzは高速通信に向いている
5GHzは、2.4GHzより高速な通信をしやすく、周囲の電波と干渉しにくいのが特徴です。
ルーターの近くでパソコンを使う場合や、動画配信サービスの視聴、オンラインゲーム、オンライン会議、大きなファイルのダウンロードなど、通信量が多い用途では5GHzが向いています。
5GHzのメリット
- 高速通信に向いている
- 2.4GHzより利用できるチャネルが多い
- 2.4GHzより電波が混雑しにくい
- 動画視聴やゲームなど通信量の多い用途と相性がよい
特にルーターと同じ部屋で使う場合は、まず5GHzを試してみるとよいでしょう。
5GHzのデメリット
- 2.4GHzより電波が届く距離が短い
- 壁や床などの障害物の影響を受けやすい
- 古いパソコンや一部のIoT機器では利用できないことがある
ルーターの近くでは快適でも、別の部屋へ移動すると急に電波が弱くなる場合があります。そのようなときは、2.4GHzへ切り替えることで安定することがあります。
「遠くまで届きやすい2.4GHz」「近い場所で高速通信に向く5GHz」と覚えておくと、どちらを選ぶか判断しやすくなります。
2.4GHzと5GHzはどっちを使えばいい?
この記事では、最高速度だけでなく「普段使う場所で、通信が途切れず使えるか」を優先して選ぶことをすすめます。速度測定で高い数字が出ても、オンライン会議の音声が途切れるなら、その用途では快適とはいえないためです。
まずルーターの近くでは5GHz、離れた部屋では2.4GHzを候補にし、次の方法で比較してください。
同じ端末・同じ場所で比較する
- ルーターのラベルや説明書で、2.4GHzと5GHzそれぞれの接続先を確認します。
- 普段パソコンやスマートフォンを使う場所で、まず片方へ接続します。
- いつも見る動画やWebページなどを開き、読み込みの待ち時間や途中で止まる症状を確認します。
- 端末と場所を変えずに、もう片方へ接続して同じ使い方を試します。
- 違いがはっきりしなければ、普段よく利用する時間帯にも比較します。
比較中は、大容量のダウンロードなど別の通信をできるだけ止めます。速度測定を使う場合も、同じ測定サービスで何度か試し、1回の数字だけで判断しないようにしましょう。
用途に合わせて結果を判断する
- 動画視聴:同じ画質で再生し、途中で止まったり、読み込み待ちが繰り返されたりしない方を選びます。
- オンライン会議:実際の通話で音声や映像が途切れにくい方を優先します。ダウンロード速度の数字だけでは判断しません。
- Web閲覧:どちらでも不満なく使えるなら、無理に切り替える必要はありません。
- スマート家電:機器が対応する周波数帯を優先します。2.4GHzのみ対応の機器では5GHzを選べません。
接続先が1つしか表示されない場合
2.4GHzと5GHzで同じネットワーク名を使い、自動的に接続帯域を選ぶルーターもあります。この場合は、接続先の一覧から周波数帯を選び分けられないことがあります。
現在の接続で困っていなければ、自動設定のままで構いません。不具合を比較したい場合は、メーカーの説明書で帯域を分ける設定があるか確認してください。ルーターの設定変更はほかの利用者にも影響するため、必要な場合だけ行います。
Wi-Fiの名前が2つ表示されるのはなぜ?
Wi-Fiの接続先一覧を開いたとき、似たような名前が2つ表示されることがあります。
これは、ルーターが2.4GHzと5GHzを別々のSSIDで発信しているためです。
機種によっては、SSIDの末尾などで周波数帯を区別している場合があります。
- 2G
- 5G
- 2.4G
- 5G
- A
- G
ただし、表記方法はメーカーや機種によって異なります。SSIDの文字だけで判断せず、ルーター本体のラベルや取扱説明書を確認するのが確実です。
最近のルーターでは、2.4GHzと5GHzで同じSSIDを使い、ルーターや端末側が自動的に適した周波数帯を選ぶ機能もあります。
2.4GHzと5GHzでWi-Fiの速度はどれくらい変わる?
一般的には、5GHzの方が高速通信に向いています。
しかし、実際にインターネットを使ったときの速度は周波数帯だけでは決まりません。
- 契約しているインターネット回線
- ルーターの性能
- パソコンやスマートフォンのWi-Fi性能
- 利用しているWi-Fi規格
- ルーターからの距離
- 壁や家具などの障害物
- 周囲のWi-Fiや家電からの電波干渉
- 同時に接続している機器の数
たとえば、ルーターの近くでは5GHzの方が速くても、別の部屋では電波が弱くなり、2.4GHzの方が安定することがあります。
5GHzは高速通信に向いていますが、ルーターとの距離や障害物によっては通信が不安定になることがあります。速度だけでなく、実際に安定して使えるかどうかも確認しましょう。
Windows 11で接続中のWi-Fiを確認する方法
Windows 11では、設定画面から現在接続しているWi-Fiの情報を確認できます。
- 「スタート」から「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を選びます。
- 「Wi-Fi」を開きます。
- 現在接続しているネットワークのプロパティを開きます。
- ネットワークの情報を確認します。
Windowsのバージョンや表示内容によって項目名が異なる場合がありますが、接続しているネットワークの詳細から、利用している周波数帯やチャネルを確認できる場合があります。
5GHzのWi-Fiが表示されないときに考えられる原因
2.4GHzのWi-Fiは表示されるのに、5GHzだけ見つからない場合があります。
この場合は、次のような原因が考えられます。
- パソコンの無線LANアダプターが5GHzに対応していない
- ルーター側で5GHzが無効になっている
- ルーターから離れすぎている
- 壁などの障害物で5GHzの電波が弱くなっている
- ネットワークアダプターやドライバーに問題がある
Microsoftも、パソコンのWi-Fiアダプターがルーターの使用する周波数帯に対応していない場合、そのネットワークが見つからないことがあると案内しています。
周波数帯を切り替えても接続できない場合は、Wi-Fiのオン・オフ、機内モード、ルーター、ネットワークアダプターなども確認してみましょう。
詳しい確認方法は、
Windows 11でWi-Fiにつながらないときの対処法を原因別に解説
で順番に紹介しています。
Wi-Fi 6と6GHzは同じ意味ではない
2.4GHzと5GHzを調べていると、「Wi-Fi 6」という言葉もよく目にします。
ここで注意したいのが、Wi-Fi 6の「6」は6GHzという周波数を意味しているわけではないことです。
Wi-Fi 6はWi-Fi規格の世代を表す名称で、2.4GHzと5GHzを利用できます。
一方、6GHz帯を利用できるように拡張された規格がWi-Fi 6Eです。6GHzを利用するには、対応するルーターと端末の両方が必要です。
5GHzや6GHzを利用するには、ルーターだけでなくパソコンやスマートフォン側も、その周波数帯に対応している必要があります。
2.4GHzと5GHzについてよくある質問
5GHzの方が2.4GHzより必ず速い?
必ずではありません。
一般的には5GHzの方が高速通信に向いていますが、ルーターから離れて電波が弱くなると、2.4GHzの方が安定する場合があります。
スマホとパソコンで別の周波数帯を使っても大丈夫?
問題ありません。
たとえば、ルーターの近くにあるパソコンは5GHz、離れた場所にあるスマート家電は2.4GHzというように、機器ごとに使い分けられます。
2.4GHzと5GHzを同時に使っても大丈夫?
対応しているルーターであれば問題ありません。
複数の機器を2.4GHzと5GHzへ分けて接続することで、1つの周波数帯に接続が集中するのを避けられる場合もあります。
5GHzにつなげばインターネット回線そのものも速くなる?
Wi-Fi区間の通信が改善する可能性はありますが、契約しているインターネット回線そのものの速度が上がるわけではありません。
通信速度は、回線、ルーター、端末、Wi-Fi規格、距離、障害物など複数の条件によって決まります。
5GHzにつながらないときは2.4GHzを使ってもいい?
もちろん問題ありません。
5GHzにこだわる必要はなく、2.4GHzで安定してインターネットを利用できるのであれば、そのまま使っても構いません。
まとめ
Wi-Fiの2.4GHzと5GHzは、どちらか一方が常に優れているわけではありません。
2.4GHzは遠くまで届きやすく、5GHzは高速通信に向いているという違いを理解して、利用する場所や用途に合わせて使い分けることが大切です。
- ルーターから離れた場所や壁を挟むなら2.4GHz
- ルーターの近くで動画やゲームを楽しむなら5GHz
- IoT機器では2.4GHzのみ対応の場合もある
- どちらがよいか迷ったら、実際に両方を試して安定する方を選ぶ
Wi-Fiが遅い、つながりにくいと感じたときは、難しい設定を変更する前に2.4GHzと5GHzを切り替えてみるだけでも改善することがあります。
周波数帯を変えてもWi-Fiにつながらない場合は、
Windows 11でWi-Fiにつながらないときの対処法を原因別に解説
も確認してみてください。